2013年03月13日

差し引き認定

今日は残念ながら先日不支給決定を受けた障害年金事例を記載します。

相談者さんは、20歳前に急性の病気にかかり、長期にわたり強い薬を使用していました。
その後、薬剤の副作用で骨がもろくなり、下肢に障害が残ってしまいました(A障害)。
A障害は残ったものの、当該疾患は数年間再発もなく完治と診断されています。

その後(十数年後)、今度は全く別の疾患(脳梗塞)で倒れ、半身不随(上肢・下肢とも)の
状態に(B障害)。

上記のようなケースでは、本来考えられる申請方法は2つ

1.20歳になった時に20歳前障害の障害基礎年金を申請する。(A障害分)
2.B障害の認定日請求をする。(この決定時にA障害+B障害の併合認定となる)

1.については20歳の時に申請はしていません(制度をご存じでなかった為)

ここで決定的な問題が。
相談者さんは、B障害における保険料納付要件が満たされていなかったのです

当初ご自身で申請を進めていたのですが、役所の窓口の時点で
納付要件が満たされていないことを理由に申請を却下され、私の元に相談に来られました。

まず、A障害については20歳前なので納付要件は問題ありません。
なので、20歳時点の診断書さえ準備できれば、20歳前の障害基礎年金を申請できます。
が・・・、既に病院のカルテは廃棄処分済み。
当時の身体障害者手帳作成時診断書だけは何とか取り寄せることはできました。
      ( ↑ が A障害の初診日証明となります)

現症の診断書は、A障害+B障害での記載が。
(このような記載方法はAB共に肢体障害である以上仕方のない事だと思っています)

そうなると、納付要件を満たしていないB障害については申請の余地が無い訳なので
現症障害ーB障害=A障害 での申請となります。
この事を差し引き認定と呼びます。

式で表せば簡単なようですが、実際にこの方の障害状態において考えてみると
難しい判断となる事はわかっておりました。
しかも、20歳時点の障害を立証する根拠は、身体障害者手帳作成時の診断書のみです。
当該診断書は、障害年金用の診断書と比べると記載事項も少ないですので
通常は参考程度や、初診日証明を立証するための材料にしかなりません。

結果、今回は不支給決定となったわけなのです。
精一杯頑張ってみましたし、とても時間がかかったケースでしたので残念でしたが、
あるいみ、不支給も致し方ないかな・・・と。

このケースを通して私が何を言いたいか。
それは
納付要件が満たされなければ、どんなに重度障害を負っても年金は受給できないのですよ!!
宙に浮いた年金問題など、国のずさんな対応を考えれば、年金に不振感をいだかれても
仕方ないとは思います。
しかし、法律で決まっている以上、国民年金の保険料は納めましょう。
年金は老後の保障だけでないんです。

上記事例の方が、数ヶ月間年金保険料を納めていさえすれば、仮に2級決定だったとすると
65歳まで、約3千万円の年金受給ができたはずでした。














posted by akkopyon at 07:39| 千葉 | Comment(2) | 社会保険労務士のお仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
年金って聞くと、皆老後って結びつけますよね。

若いから先のことって思うんですよね。

でも人生いつ何があるかわかりませんものね。

最低限の義務を果たすことは大事ですね。

結局はそれが自分を救ってくれたりも

するんだと、若い人にももっと知らせて

ほしいですね。

Posted by オレンジ at 2013年03月14日 15:06
<オレンジさん>
そのとおりなんです。
今は大丈夫でも、明日はわかりませんからね。
もっと制度を理解して・・・
とはいっても、不信感を募らせるような事をする
国にも責任があるのですよね。
もっと安心感を与えないと。
それが私達の使命なのかも知れません。
Posted by akiko☆ at 2013年03月14日 21:36
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